プーリーベルトの選定

知り合いのシビック KE9 が
高回転化にあたってプーリーの交換をするとのこと。
人のカスタムを手伝うのは楽しいですね😌

ただ、オーナーさんより、
新しいプーリーはあるが、新しいベルトがなく、
どの長さが最適か分からない、何とかして!
という事なので、何とかしよう!

ベルトの選定方法

まずは、ベルト長を計算するための詳細を確認します。
BL:ベルト長 (ベルト外側の長さ)
CD:軸間距離
LD:大径側プーリーの外径
SD:小径側プーリーの外径
BLは、CD,LD、SDが既知であれば
下記6要素の足し合わせで算出することができます。

LA:大径プーリーの円弧長
  ⇨LA=外径 x π x 180 / 360   
La:大径プーリーの増加円弧長
  ⇨La=外径 x π x  θ / 360 
SA:小径プーリーの円弧長
  ⇨SA=外径 x π x 180 / 360 
Sa:小径プーリーの減少円弧長
  ⇨Sa=外径 x π x  θ / 360
TB:上側のベルト長
  ⇨TB=CD x Cosθ
BB:下側のベルト長
  ⇨BB=TB

つまり、必要なベルト長は、下記で求めることができます。
BL = LA + 2La + SA – 2Sa + 2TB
   = 大径プーリー外径  x π x (( 180 + 2θ ) / 360 )
   + 小径プーリー外径 x π x (( 180 – 2θ ) / 360 ) 
   + 軸間距離 x Cosθ

ここで、不明な数値 θ が 出てきましたが、
1つの式で、1つの変数であれば、固定することができます。

なんとなく、ベルト長の算出も楽ちんそうですね😀

現状の把握

早速、各寸法を測定していきます!
が、新しいプーリーはもう取り付けられていますし、
もちろんエンジンは積みっぱなしなので、
軸間距離は測定できません。。。

プーリーの径は何とか測定できたとして、
変数が、軸間距離と角度θ の二つになってしまいました。
さて、どうしましょう。。。😫

当たりつけ計算

変数は二つですが、
とんでもない数値になるわけでもないので、
ある程度の当たりつけをして、
もっともらしい答えを見つけていきましょう!

とはいっても、当たりつけの根拠がないと不安です。
モノタロウのページで、概算ベルト長の算出式が載っていました。
https://www.monotaro.com/s/pages/readingseries/kikaikiso_0203/


古いベルトの長さはわかるので、
上記をもとに、軸間距離( a )を 算出します。

その軸間距離を用いて、新しいベルト長を算出できます。
何とも便利な!



当たりつけ計算(検算)

モノタロウに教えてもらった条件を基に、θを算出して検算します。




プーリーの径差と軸間距離からのθのイメージは、悪くないですね!

ここまでこれば、ベルトを購入しましょう!
ある程度の誤差は、調整機構でカバーされるはずです🤔

無事 取り付け

こうして、無事にKE9は高回転に耐えられるようになりました!
オーナーさんにも喜んでもらえたようで良かった!